あなたは毎朝、自分の尿を見ていますか?
「見ていない」という方がほとんどだと思います。私もかつては、そうでした。
看護師として、患者さんの尿は毎日確認していました。でも、自分のことは後回しだった。「まさか自分が」という油断が、どこかにあったのだと思います。

血尿は、疲れでは出ない

2024年6月、私は初めて肉眼的血尿を経験しました。
朝起きてトイレに行き、立ち上がって便器を見たら——真っ赤だった。
看護師として「ヤバい」と即座にわかった。でも同時に、「尿管結石かもしれない」という逃げ道を探していた自分もいました。以前から鈍い腹部の痛みがあり、結石の疑いを指摘されたこともあったからです。
でも受診して、レントゲンを撮ったら、右の腎臓が大きく腫れていた。
「疲れで血尿が出た」は、ありません。腎臓・尿管・膀胱・尿道のどこかで、出血が起きているサインです。疲れからは血は出ません。
肉眼的血尿と顕微鏡的血尿——何が違うの?
血尿には、大きく分けて2種類があります。
肉眼的血尿は、自分の目で見て明らかに赤い尿のことです。ロゼワインのような薄いピンク色から、ビールのような赤茶色まで、色の濃さはさまざまです。濁って見えることもあります。私が経験したのも、まさにこのタイプでした——便器を見た瞬間、思わず「え?」と固まった。
顕微鏡的血尿(潜血)は、見た目には普通の尿と変わらない、でも顕微鏡で調べると赤血球が混じっているものです。健康診断の尿検査で「尿潜血+」と書かれていたことはありませんか?あれがこれです。
📊 尿潜血の「+」って何を意味するの?
健診の結果に出る「+1・+2・+3」は、顕微鏡1視野(HPF)に見える赤血球の数が目安です。
・+1:赤血球 約1〜4個/視野(要経過観察)
・+2:赤血球 約5〜9個/視野(精密検査を検討)
・+3:赤血球 10個以上/視野(速やかに精密検査)
本来、健康な尿に赤血球は混じりません。+が出たら「たまたま」と流さないでください。
看護師として26年間、患者さんの尿を見てきた私から言わせてください。健診で潜血が出たのに「症状がないから」と放置している方は、ぜひ一度、泌尿器科を受診してください。
今、私が毎日確認していること
がんを経験してから、自分の身体を観察する習慣が変わりました。今は毎日、3つをチェックしています。
✅ くるみんの毎日チェック3つ
① 尿の色・量・回数
色は薄い黄色が正常。濃い・赤い・泡立つは要注意。量と回数も大まかに把握する。
② 足のむくみ
夕方に靴がきつくなっていないか。腎臓が正常に機能していれば、余分な水分は尿として排出される。
③ 体重
急な増加(2〜3日で1〜2kg)は水分が身体に溜まっているサイン。尿として出きれていない可能性がある。
難しいことは何もしていません。ただ「見る」だけ。でもこの「見る」習慣が、命を救うことがある。

まず、泌尿器科に行ってください
血尿が出たとき、「内科でいいかな」と思う方は多いと思います。でも、答えはシンプルです。最初から泌尿器科に行くのが一番早い。

内科でも尿検査はしてもらえます。でも、腎臓・膀胱からの出血が疑われれば、結局は「泌尿器科に行ってください」と言われます。であれば、最初から行った方が時間のロスがありません。
ひとつだけ例外を伝えると——普段からお世話になっているかかりつけ医がいるなら、まず電話してみてもいいです。「血尿が急に出たんですが、先生のところに行った方がいいですか?」と一言聞くだけでいい。そこから泌尿器科を紹介してもらえることも多いです。
⚠️ 「痛くない血尿」ほど危ない
膀胱炎や尿路結石の血尿は、たいてい痛みを伴います。でも、膀胱がん・腎がん・尿管がんの血尿の多くは痛みがないのです。「痛くないから大丈夫」——これが一番危険な思い込みです。

受診を迷っているあなたへ
もし今、血尿を見ているなら——
それは疲れや忙しさのせいではありません。
体が悲鳴をあげている状態です。
今すぐ受診の警告サインです。
体表の傷なら、浅ければ自然に止血されることもあります。でも、腎臓・尿管・膀胱からの出血は、待っても止まりません。痛みがない血尿は、腫瘍やがんの可能性を必ず考えてください。
もうひとつ、知っておいてほしいことがあります。血尿は「出たり出なかったり」することがあります。一度消えると、「治った」と思いがちですが、腫瘍が消えたわけではありません。膀胱がんや尿管がんでは、腫瘍表面の血管が断続的に破れるため、血尿が間欠的に起きることがあります。「先週出たけど今日は出ていない」という状態でも、受診してください。そして、過去に血尿があったという事実を、必ず医師に伝えてください。
「たぶん大丈夫」という感覚は、血尿に関しては信じないでください。看護師として、がんサバイバーとして、それだけははっきり言えます。
血尿が出たとき、受診すべきタイミングや検査の流れを詳しくまとめた記事があります。
──くるみん(訪問看護師26年・がんサバイバー)
くるみんのがん羅針盤


