血尿と膀胱がん——看護師サバイバーが語る、受診すべきタイミングと検査のすべて

この記事を書いた人:くるみん

がんサバイバー×看護師。療養と生活のリアルを発信中。
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訪問看護師26年・がんサバイバー。2024年に尿管がんステージ3bと診断。自分の体験をもとに、がん患者・家族が知りたいリアルを発信しています。
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⚠️ この記事は個人の体験と一般的な医療情報をもとにしています。治療・検査の判断は必ず担当医にご相談ください。

📋 この記事でわかること

  • 「疲れで血尿が出た」が完全な誤解である理由
  • 痛みのない血尿がなぜ危険なのか
  • 泌尿器科受診から確定診断までの検査の流れ
  • 膀胱がんと尿管がんの違い・治療の大きさの差
  • 看護師サバイバーが語る「あのとき受診して良かった」
血尿からのメッセージ

「疲れで血尿が出た」——それ、誤解です

疲れで血尿が出たは誤解

「最近疲れがたまっているから、血尿が出たのかな」

こんなふうに思って、受診を後回しにしている方はいませんか。

はっきりお伝えします。疲れで血尿は出ません。これは完全な誤解です。

誰がこんなことを言い出したのか、私には分かりません。でも「血尿=疲労のサイン」という思い込みが世の中にはある。そしてそれを信じて、大切な時間を失ってしまう人がいる。

私は訪問看護師として26年間、がん患者さんと向き合ってきました。そして2024年、血尿をきっかけに自分自身が尿管がんのステージ3bと診断されたがんサバイバーでもあります。

だから確信を持って言えます。

血尿は、体からの最終通告です。

疲れのサインでも、ストレスのサインでもない。体の中で何か大きなことが起きているというサインです。

2024年6月20日の朝

あの朝のことを、今でも鮮明に覚えています。

朝起きてトイレに行くと、便器の水が赤ワインのような色になっていました。

え……これは。

看護師として、血尿が何を意味するかは知っています。でも同時に、「たまたまかな」「水分不足かも」と自分に言い聞かせようとしていました。人間は、怖いことから目をそらしたくなるものです。看護師でも、患者の立場になれば同じでした。

でも、トイレから出た後もざわざわした感覚が消えなかった。

理由はひとつです。

痛みが、なかったのです。

私はリンチ症候群という遺伝性の疾患を持っており、以前から泌尿器系のトラブルには人一倍敏感でした。数年前には、腎臓から尿管へ結石が動くあの激烈な疝痛発作も経験しています。救急車を呼ぼうかと思うほどの痛みで、たまたま家にあったボルタレン座薬を使って、30分後にやっと楽になったほどでした。

看護師として考えれば、血尿の原因として最初に疑うのは尿路結石です。でも、あの激痛がない。背中から横腹への張り感もない。それなのに、血尿が出た。

いつもと、違う。

この「いつもと違う」というざわざわした感覚が、私を泌尿器科の予約へと向かわせたのです。

血尿には2種類ある——「痛くないから大丈夫」は危ない

血尿には二つのサイン

ここで少し、医療の話をさせてください。

血尿には大きく2種類あります。

肉眼的血尿は、私が経験したような、目で見てはっきり分かる赤い尿のことです。赤ワイン、コーラ、ロゼワインのような色になることがあります。一度でも経験したら、絶対に放置しないでください。

顕微鏡的血尿は、見た目は普通の色なのに、検査をすると赤血球が混じっているものです。健康診断の尿検査で「尿潜血(+)」と記載されるのがこれです。見た目では分からないだけで、体の中では出血が起きています。

⚠️ 痛みと血尿の関係——大切な知識

状態 疑われる原因
痛みを伴う血尿 尿路結石・膀胱炎など
痛みのない血尿 腫瘍(がん)・腎炎など → 要注意!

「痛くないから大丈夫」ではなく、「痛くないのに血が出ている」という状況こそ、すぐ受診すべきサインです。

痛くないからは大丈夫が危険

泌尿器科への扉——受診から診断まで

泌尿器科って、なんとなく敷居が高い印象がありませんか。

でもあのとき私は、そんなことを考える余裕がありませんでした。評判のいい隣町のクリニックに、すぐ予約を入れました。

受付でコップを渡されて「あちらのトイレで採尿を」と言われ、待合室でしばらく待ちます。看護師として診察の流れはだいたい分かっていました。それでも、待っている間の胸のざわざわは収まりませんでした。

名前を呼ばれ、診察室へ。先生は穏やかな方で、丁寧に話を聞いてくれました。その後すぐ、超音波検査とレントゲン検査へ。

モニターに自分の腎臓が映し出されます。看護師として画像がある程度読めるので、自分でも観察していました。そして先生の一言。

 「右の腎臓が腫れていますね。レントゲンには結石は映らないので、もう少し詳しく調べましょう」

結石じゃないのかも……?

不安が、じわじわと広がっていきました。

造影CTから大学病院へ

紹介状を持って、総合病院で造影CTを受けました。

造影CTは、造影剤という薬を点滴しながら撮影するCT検査です。血管や臓器の状態がより鮮明に映し出され、腫瘍の有無や広がりを確認するために使われます。

先延ばし習慣がある方へ

早めの行動があなたの未来を守る

仕事が忙しい。子どもがいて時間がない。怖くて考えたくない。

先延ばしの理由なんて、いくらでも出てきます。

でも私は、がんと診断されてから強くそう思うようになりました。

体のことだけは、先延ばしにしないでほしい。

疲れで血尿が出る——これは都市伝説です。血尿は、体が限界まで悲鳴を上げているサインです。そのサインを無視し続けることが、どれだけ怖いことか。

あの朝、すぐに泌尿器科を予約した自分を、今でも褒めてあげたいと思っています。

あなたにも、そう思える朝が来ることを願っています。

🎬 音声で聴きたい方はこちら


静かなる赤い警告:血尿と尿管がん|YouTubeで音声解説を聴く

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