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【がん患者が言われてモヤる言葉あるある10選】

この記事を書いた人:くるみん

がんサバイバー×看護師。療養と生活のリアルを発信中。
「前を向きたい人の、灯りになれるブログ」を目指しています。

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【本記事は「がん患者あるある」シリーズ第4回/全6回の連載企画です】

がんとともに生きる日々の中で、いちばん繊細になるのが「人との距離感」かもしれません。
悪気はないとわかっていても、何気ない一言に心がチクッとする。
そんな瞬間、ありませんか?

今回は、がん患者が“言われてちょっとつらかった言葉”あるある10選をお届けします。

「元気そうじゃん」「気の持ちようじゃない?」——。
きっと誰もが励まそうとしてくれた言葉なのに、なぜか胸の奥でザワついてしまう。

この記事が、「どんな言葉が心に届くのか」を考えるきっかけになれば嬉しいです。
そして、がん患者自身も「モヤモヤしていいんだよ」と、そっと自分を許せる時間になりますように。

◇がん専門の精神科医があなたの悩みに答えます。◇ がんと診断された方は、さまざまな不安や悩みを抱えるものです。 これまで4000人以上の患者さんやご家族の相談を受けてきた経験から、 代表的なものを選んで、紙上でカウンセリングを試みました。 誰にも言えない悩み、わかってもらえない不安がある方は、 ぜひ本書を開いてみてください。 あなたらしく病気と向き合うヒントが見つかると思います。

がん患者が“言われてモヤる言葉”10選


①「元気そうじゃん」

励ましのつもりなんですよね。
「見た目が元気そう」って言われると、笑って「ありがとう」と返すけれど、心の中が少しざわつくんです。

だって、その“元気”を保つためにどれだけ頑張っているか。
治療の副作用、再発の不安、体調の波——。
それを隠しながら「普通の生活」を続けているだけなんです。

見た目の裏にある努力を少し想像してもらえたら、心がふっと軽くなる。
「無理してない?」「今日はゆっくりできてる?」——そんな一言が、何よりの励ましになります。


②「2人に1人ががんになる時代だから」

統計的にはその通り。

だけど、周りを見てほしい・・・
あなたの周りで本当に2人に1人ががんでしょうか?
AYA世代の方でがんの方が身近にいますか?
全世代を通しての統計で「2人に1人」ががんになるというお話です。
でも、いま欲しいのは数字じゃなく共感なんです。

「珍しい病気じゃないし大丈夫」ではなく、
「今つらいね」「怖かったね」という共感のほうが、ずっと心に響く。

“2人に1人”という言葉の裏で、私は“その1人”になってしまった。
だからこそ、「あなたの気持ちに寄り添いたい」という声の方が、何倍も支えになります。


③「私も最近、健康診断引っかかってさ〜」

悪気のない雑談なんですよね。
でもその“軽さ”が、時に胸に重く響きます。

「私もさ〜」と並べられると、「同じ不安じゃないんだけど…」と思ってしまう。
こちらはがんの告知を受け、命と向き合っている最中。
ほんの少しの温度差が、距離に感じてしまうことがあります。

心配してくれる気持ちは本当に嬉しい。
でも、そんな時は「怖かったよね」「検査、大変だったね」と、聴く姿勢だけで十分なんです。

コードレスなのでお好きな場所でお気に入りの香りが楽しめます。明るさは2段階に調節できます。 ◎充電のコネクタがTYPE-C端子になり、コードが外れにくくなりました。

④「がんって早期なら全然治るよね?」

励ましのつもりなのはよくわかります。
でも、ちょっと複雑な気持ちになることも。

早期でも、手術・通院・副作用・再発リスク——。
どれも“軽い病気”とは言えません。

「治るよね?」という言葉が、かえってプレッシャーになることも。
「治る・治らない」ではなく、「支えてるよ」「応援してるよ」——その言葉で十分です。


⑤「お祓い行ってみたら?」「厄年じゃない?」

信仰を否定するつもりはありません。
でも、がんを“運”や“厄”で片づけられるのは、やっぱりつらい。

病気は偶然ではなく、現実。
治療や生活の積み重ねの中で向き合っているんです。

「気をつけていればよかったのに」と聞こえてしまうと、心が冷えてしまう。
ただ、「怖いね」「無理しないでね」と寄り添ってもらえるだけで十分です。

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⑥「頑張ってるね!」

この言葉、いちばん多くかけられます。
もちろん、励ましの言葉だってことはわかっています。

でも正直、「もうこれ以上、何を頑張ればいいの?」と思うこともあるんです。
毎日治療に耐え、ただ“生きていること”自体がすでに頑張り。

「今日はゆっくり休んでね」「無理しないで」——そんな言葉が、頑張る私たちを優しく包みます。


⑦「うちの〇〇もがんで亡くなったよ」

この言葉を聞くと、思わず息をのむ人も多いはず。
話している人は“経験を共有しているつもり”でも、治療中の人にとってはあまりに重たい。

今まさに生きることに必死なとき、「亡くなった話」は希望を遠ざけてしまうこともあります。
「私の知り合い、治療を頑張って元気に過ごしてるよ」——そんなエピソードの方が、心の支えになります。

「言葉にモヤモヤした日」「香りでホッとひと息つく時間を持つ」段落を挿入 → そこでいい香りのディフューザーをひとつ持っておくと、“言葉に跳ね返されそうな心”をやさしく包んでくれます

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⑧「気の持ちようじゃない?」

ズシンと響く言葉です。
「気持ちの持ち方が大事」なのは確か。
でも、がんは“気の持ちよう”だけではどうにもならない病気。

「気が弱いから病気になった」と感じてしまうことも。
心が弱いからではなく、体の中で細胞が暴走している——それが現実。

「つらいね」「無理しないでね」その一言で、救われる人がたくさんいます。


⑨「神様は乗り越えられる試練しか与えない」

とても美しい言葉。
けれど、治療の真っ只中では、時にその言葉が重くのしかかります。

「乗り越えられなかったら、自分は弱いの?」——そんな思いがよぎることも。
神様より、そばにいる人の“優しい共感”の方が、何倍も救いになります。

「しんどいね」「つらいね」——その言葉が、いま最も欲しい祈りです。


⑩「病は気からって言うじゃん」

昔からあるフレーズですが、がん患者には複雑な響き。
確かに前向きな気持ちは大事。でも、がんは“気”ではなく“細胞”の病気です。

「気にかけてるよ」「何かできることある?」
その一言のほうが、はるかに心に届きます。

病は“気から”より、“気にかける”ことから救われる。
そう感じています。


言葉の奥にある「気持ち」を見つめてみよう

今回の10選は、「こう言ってはいけない」という話ではありません。
どの言葉も、もともとは優しさや励ましから生まれたもの。

でも、がんという現実の中では、その優しさが時に刃のように感じられることもあります。
だからこそ大事なのは、「言葉の正しさ」より「想いの深さ」

寄り添う気持ちがあれば、どんな言葉もきっと届く。
そして、がん患者自身も「モヤモヤしていい」「泣いてもいい」
自分を責めず、心のままに感じていいんです。


「頑張ってるね」と言われて苦しくなる日もあります。そんなとき、私はこの本に何度も助けられました。

◇がん専門の精神科医があなたの悩みに答えます。◇ がんと診断された方は、さまざまな不安や悩みを抱えるものです。 これまで4000人以上の患者さんやご家族の相談を受けてきた経験から、 代表的なものを選んで、紙上でカウンセリングを試みました。 誰にも言えない悩み、わかってもらえない不安がある方は、 ぜひ本書を開いてみてください。 あなたらしく病気と向き合うヒントが見つかると思います。

まとめ|“言葉”で救われる日も、“沈む日”もある

私たちがん患者は、たとえ“元気そう”に見えても、心の奥では日々いろんな感情と戦っています。
だからこそ、何気ない一言が嬉しいこともあれば、モヤッとすることもある。

でもそれは、人と人が本気で関わっている証。
「伝えたい」「わかりたい」と思う気持ちの先に、心が通じる瞬間がある。

どうか今日も、誰かの言葉が優しく届きますように。
そしてあなた自身も、「寄り添える人」でありますように。

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