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血尿から始まった、私の物語

この記事を書いた人:くるみん

がんサバイバー×看護師。療養と生活のリアルを発信中。
「前を向きたい人の、灯りになれるブログ」を目指しています。

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「疲れのせいかな?」――そう思ったのは、現実から目をそらしたかったからかもしれません。

ひそかに物語は進行していた

2024年6月20日。
あの日のことは今でもよく覚えています。朝起きたときの尿が、まるで赤ワインのようだったのです。

私は看護師として、血尿の怖さを知っているはずでした。でも同時に、「たまたまかな?」「水分不足かも」と自分に言い聞かせていました。
疲れやストレスで体調を崩すことはあります。でも、「健康な身体からは、絶対に血尿なんて出ない。」これは、身体からの“強烈なサイン”だったのです。

私はすぐに、以前から評判の良かった隣町の泌尿器科を予約しました。
正直、泌尿器科ってちょっと敷居が高い印象ありませんか?
でも、このときはそんなこと気にならないくらい、不安と焦りでいっぱいでした。

自分なりの“アセスメント”…だけど

看護師として、私は血尿の主な原因をいくつも思い浮かべることができます。
感染症?膀胱炎?でも発熱も排尿痛もない。
となると――「尿路結石だろう」。

そう考えたのは、実は以前から腹部に鈍い痛みを感じていたからでした。
超音波検査で腎臓に“結石らしき影”を指摘されたこともあり、水分をこまめに取るよう指導されていたのです。

数年前には、いわゆる“疝痛(せんつう)発作”も経験しました。
腎臓から尿管へ結石が移動する際の、あの鋭い痛み――真剣に救急車を呼ぼうかと思うほどでした。
そのときは、偶然、家にあったボルタレン座薬を使って、30分後には嘘のように痛みが引いたのを覚えています。

結石はザラザラ・トゲトゲしていて、尿管の壁をこすりながら落ちていく…。
今回の血尿も、結石が原因だと“アセスメント”しました。
目に見える血尿(肉眼的血尿)は1回きりだったので、「きっと今回も一時的なもの」と思いたかったんです。

でも――
やっぱり人生初の血尿は、どうしても心のどこかに**“違和感”**を残しました。
「念のため、一度しっかり検査しておこう」
そんな気持ちが、私を泌尿器科の扉へと向かわせたのです。

泌尿器科って、受付をすますと有無を言わせずコップを渡され「あちらのトイレで採尿を」と言われました。

採尿を終え、待合室でしばらく呼ばれるのを待ちます。

私は看護師ですので、医師の診察の流れや検査内容もある程度想像はついています。それでも、「今回だけは違うかもしれない」と、なぜか胸がざわざわしていました。

そして名前を呼ばれ、いよいよ診察室へ。先生は穏やかな雰囲気の方で、私のこれまでの経過や、今回の血尿について丁寧に話を聞いてくださいました。

その後、すぐに超音波検査とレントゲン検査が行われ、モニターには私の腎臓や膀胱が映し出されていきます。自分でも少しだけ画像が読めたので、内心、自分でも原因を検索しました。

そして先生の一言。

「右の腎臓が腫れていますね。レントゲン写真では結石は確認できないので、もう少し詳しく検査をしておきましょう」

その瞬間、「あれ?結石じゃないのかも?」という不安が、じわじわと広がっていきました。

「気になる所見」とはなんなのか―― 私は看護師でありながら、完全に“患者”の顔になっていました。

先生の「気になる所見がありますね」という言葉を受けて、後日、総合病院の予約をして造影CT検査を受けました。

【まとめ:血尿は“からだからの警告”かもしれない】

今回、私は人生で初めて“泌尿器科”を受診しました。

自分の体調にきちんと向き合い、違和感を無視せず行動したことで、 今思えば、ここから私の「がんとの出会い」が始まったのです。

「忙しいから」「そのうち治るかも」
そう思って放置してしまっていたら、もっと進行していたかもしれません。

血尿は、決して“疲れ”や“ストレス”のせいではありません。 体からのサインを見逃さず、あなた自身の命を守るために、
どうか、気になる症状があったら早めに専門医を受診してください。


【次回予告:まさかの診断「がんという現実との対面」】

次回は、受診後の検査と、そこで受けた衝撃の診断についてお話しします。

泌尿器科での一通の検査が、私の人生を大きく変えることになるとは――
がんと確定されるまでのプロセス、そして告知された瞬間の心の内をお届けします。

どうぞお楽しみに。

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