半年間抱えていた「検査結果への不安」とどう向き合ったか
BCG治療後に訪れた、新たな検査の提案
「肺に影らしきものがある」と言われたのは、半年前のこと。
BCG治療を6回終えた直後、主治医から造影CT検査をすすめられました。
「尿管がんの手術を優先していたけど、心配な肺の検査をしておきましょう」
さらにその数日前には、大腸内視鏡と胃カメラの検査も。
私の場合、リンチ症候群という遺伝的な特徴があり、消化器系のがんリスクが高いため、こうした検査はもう30年近くの“恒例行事”になっています。
それでも今回は違いました。
頭から離れないのは「肺の影」——あの曖昧な所見がどうなっているのか。
「結果が出るその日」が近づくにつれて、不安は加速していきました。

“悪い知らせ”を想像するクセは、誰のせい?
心配性なのか、それともがん患者だからか
検査が終わると、徐々に押し寄せてくる“もしも”の想像。

・がんが遠隔転移していたら?
・また手術? 化学療法? 入院?
・仕事は? 家族は? 生活は?
一度浮かんだ不安は、次から次へと増殖していき、まるで心の中が「不安の巣」になったよう。
冷静な自分がどこかにいるのに、その声はどんどん小さくなっていく——そんな感覚でした。
そして迎えた今日。
大学病院の外来に行くと、予約時間を過ぎても呼ばれず、まさかの3時間待ち。
椅子に座っているだけなのに、体はこわばり、心はすり減っていく。
呼ばれた瞬間には、もはや眠気すら感じていました。
検査結果は“異常なし”なのに、心は重かった
安心したけど、緊張が解けどっと疲れる!
「異常はありませんでした。問題ないですね」
その一言を聞いたとき、当然ながらホッとしました。
でも、それ以上の感情が湧いてこない。
心がスーッと軽くなる……なんてことはなく、代わりにやってきたのは、
虚脱感と、どっと押し寄せる疲れでした。
半年間、ずっと抱えていたこころの引っ掛かりはとても大きかったようです。
ストレスからの“反動行動”が教えてくれたこと
気づいたら甘いものと炭水化物を過食していた
家に帰り、何もやる気が起きず、ふと手に取ったのは甘いもの。

ケーキ1個 豆大福2個 稲荷ずし3個 歌舞伎揚げ4枚
食べちゃった!
「せっかくダイエットしていたのに…」
「走ってる意味ないじゃん…」
そんな罪悪感が押し寄せてきて、また自己嫌悪。
でも、その時ふと思いました。
これは、相当ストレスを感じていた証拠だったんだな。
自分の心が疲労していたことに、ようやく気づく瞬間でした。
「心配していたことの8割は起きなかった」──これは事実だった
デール・カーネギーの言葉が、心にしみた日
“心配事の8割は起こらない”
これは、アメリカの作家・心理学者デール・カーネギーがその著書『道は開ける』で紹介している考え方です。
私たちが心配することの40%は起こらず、30%は過去のこと、12%は健康のこと。そのうち本当に問題となるのは、たった8%。
まさに今回の私が体験したのは、その「8割起こらなかった側」の出来事でした。
不安にのまれそうなあなたへ、伝えたい言葉
がん患者の多くが、検査結果に敏感になっている
Xで他のがん患者さんの投稿を見ると、
「検査結果が怖い」
「病院の日が近づくと眠れない」
そんな声がたくさん並んでいます。
きっとそれは、がんという病気の不確かさや、人生への影響が大きすぎるから。
そしてそれは、あなただけが抱えている不安ではありません。
だから私は、こう伝えたい
「その心配、8割は起こらないかもしれない。」
もちろん、それでも怖いし、不安はゼロにはなりません。
でも、不安に支配されすぎると、心も体も疲れてしまいます。
だったら、今だけはこう考えてみませんか?
「不安はあるけど、今の私はちゃんとここにいる」
「そして、今日もなんとか乗り越えた」

【まとめ】未来を信じるのではなく、「今の安心」に目を向けてみる
検査結果の不安は、がん患者にとって切り離せないもの。
でも今日私は、「心配していたことのほとんどは、起きなかった」という事実に救われました。
次の検査も控えているけれど、できればもう少し心穏やかに迎えたい。
そして、この記事が「不安の中にいる誰か」の心を、少しでも軽くできますように。
あなたも、自分にこんなふうに声をかけてみませんか?
「今の私は、今日をちゃんと乗り越えた」って。
そして、よかったらコメント欄やSNSで、あなたの“心配しすぎたけど起きなかったこと”を教えてください。
あなたの経験が、きっと誰かの背中をそっと押すはずです。
その一歩が、次の一歩をきっと連れてきてくれます。