〜限られた時間を生きる中で、私がブログを始めた理由〜
闘病生活で気づいた「今を大切にしたい」という気持ち
がんと診断されたとき、まず最初に目に飛び込んでくるのが「生存率」の数字でした。
私が診断された尿管がんの5年生存率は、浸潤がある場合で約50%。
この数字を聞いて、あなたならどう感じますか?
「2人に1人は生きられるんだ」と前向きに受け止める方もいるかもしれません。
でも、がん患者の多くはネガティブに考えてしまうものです。
「5年後、自分はこの世にいないかもしれない」
「たとえ生きていても、健康ではいられないかもしれない」
――そんな思いが頭をよぎります。
統計はあくまで数字。でも、その数字は確実に私たちの生き方を揺さぶります。
私自身、それまで“なんとなく”だった人生の終わりを、リアルに感じるようになりました。
「来年、また桜を見られるだろうか」
がんになって初めて、この言葉の重みが分かるようになりました。
だからこそ、今を丁寧に生きたい。
限られた未来を有意義に使いたい。
そんな思いが強くなっていったのです。
がんで動いた「お金」「仕事」「生き方」
▽ 保険とお金の話
がんになると、お金の流れも大きく変わります。
私は住宅ローンを連帯債務型で組んでおり、がん特約付きの団信に加入していました。
そのおかげで、住宅ローンの半分が免除され、経済的にはとても助かりました。
でも、一方で痛恨のミスもありました。
実は、がんと診断されるわずか半年前に、30年近く続けていたがん保険を解約してしまっていたのです。
「もう、がんにはならないだろう」
「貯金でなんとかなるかも」
そう思ってしまったんですよね…。
もし継続していれば、診断一時金200万円、入院1泊3万円の給付が受けられたはずでした。
この出来事から、保険やお金の重要性を痛感しました。
※このテーマはまた別記事で詳しく書きますね!
▽ 訪問看護ステーションの廃業
私はもともと訪問看護ステーションの経営者であり、現場でも働く訪問看護師でした。
がんと診断された当初は、「一時的に休めば、またすぐ戻れる」と思っていました。
管理者に仕事を任せて何とか乗り切っていたのですが、
やはり営業にも出られず、新規の利用者様をお断りせざるを得ない日々。
ようやく手術を終えたと思ったら――
今度は膀胱がんが見つかりました。
「もう、無理をしない方がいい」
家族や周囲の声もあり、私は経営を手放す決断をしました。
3年間、休まず働き、立ち上げから一人で支えてきた事業。
簡単に言えるものではありません。
でも命の危機を前にすると、仕事よりも自分の体を優先するしかなかったのです。
▽ 生き方の再定義
がんを経験して、私の生き方も大きく変わりました。
「我慢して生きるのは、もうやめよう」
「好きな人と、好きな時間を、好きな場所で過ごしたい」
「“もの”より“こと”。思い出を重ねたい」
限られた時間の中で、私は「太く、充実した人生」を送りたいと思うようになったのです。
働けない日がある私がブログを選んだ理由
「ストック収益」と「フロー収益」って聞いたことありますか?
- フロー収益:働いた分だけ得られる収入(看護師など)
- ストック収益:資産やコンテンツが自動的に生む収入(ブログ、YouTubeなど)
でも、ブログは違います。
書きためた記事が読まれ続ければ、私がベッドの上にいても、誰かの役に立ち、収益を生み出してくれる。
たとえば、もし片腎にもがんができ、透析が必要になったとしても、
パソコン1つで家からできるこの仕事は、私の人生を支えてくれるかもしれません。
だから私は、ブログを始めました。
自分の経験を誰かに届け、そして自分の生活を守るために。
最後に
がんは人生を一変させる病気です。
でも同時に、「本当に大切なもの」が見える病気でもあると思っています。
働き方、お金の使い方、時間の使い方――
がんを経験した私だからこそ、伝えられることがある。
このブログが、誰かの気づきや、力になれたらうれしいです。