大学病院のイメージ
初めて大学病院を受診するとき、誰だって不安になるものです。
大きな建物、たくさんの患者さん、慌ただしく動くスタッフたち——。
それに、テレビドラマの影響で
- ドクターXのような敏腕外科医に手術してもらえるのかな?
- 白い巨塔のような医局の派閥に巻き込まれないかな?
- コードブルーみたいに命の現場が日常なのかな?
と、想像を膨らませてしまうかもしれません。
町のクリニックなら2~3科ですが、大学病院では20~30もの診療科が並び、
「自分はどこに行けばいいんだろう?」「ちゃんと診てもらえるかな」と
不安を感じるのも当然です。
私自身、大学病院に勤めていた医療者でしたが、
患者の立場に立ったとき、改めてその独特な空気に圧倒されました。
この記事では、初めて大学病院を訪れるあなたが
少しでも安心できるように、
私の体験を交えてお話ししていきます。
あなたが一歩を踏み出すとき、少しでも心が軽くなりますように。
初めての大学病院受診は、なぜ不安なのか
大学病院に入ると、まずそのスケールに圧倒されます。
救急車がひっきりなしに出入りし、朝の時間帯は道路もバスも混雑。
ドクターヘリが屋上で待機している病院もあります。
大きなロビーには、こんなにたくさん病気の人がいるのかと驚くほどの人、人、人。
新棟と旧棟がつながった迷路のような作りに、迷子になりそうな不安も膨らみます。

長い待ち時間と慌ただしい流れ
大学病院では初診枠が限られ、平気で3時間待ちなんてことも。
私も朝8時半に受付を済ませ、診察は11時、検査と診察を終えたのは午後3時を回っていました。
まさに、大学病院はいまるまる一日の時間を要します。
診察待ちの間、
同じ受診科で待つ人たちを見ながら、
「この人もがんかもしれない」「自分と同じなのかな」と
心がざわついて落ち着きませんでした。
自分が小さく感じる孤独感
クリニックとは比べ物にならない数の患者たち。
その中に埋もれ、自分が小さな存在に思えます。
「この大勢の中で、ちゃんと診てもらえるのかな」と、
孤独と不安に押しつぶされそうになります。
医療者だった私が、それでも感じた”特別な空気”
慣れていた私でも、やっぱり感じた重圧
看護師として慣れたはずの大学病院。
けれど患者になった瞬間、景色は一変しました。
自分の番号が呼ばれるかドキドキし、
検査に向かうだけで緊張し、
心も体も異常なほど疲れました。
いつも心に不安がのしかかっていたのを覚えています。
「患者」として立ったときに見えた景色
順番待ちで不安そうに座る患者さんたち、
点滴台を引きながら待つ人、
家族に寄り添われる高齢者。
みんな何かを背負っている。
そんな空気がひしひしと伝わってきました。
そして、心のどこかで私は「自分は違う」と否認していました。
「がんの可能性」なんて認めたくなかったのだと思います。

これから大学病院を受診するあなたへ伝えたいこと
大丈夫、怖いのはあなただけじゃない
不安になるのはあなただけではありません。
怖いと思う気持ちは、体を大切に思っている証拠です。
まずはその気持ちを否定せず、受け止めてあげてください。
うまく乗り越えるための3つのコツ
大学病院には案内係やボランティアスタッフがいます。
迷ったり困ったら、すぐに声をかけましょう。
車椅子サポートもお願いできますよ。
診察のとき、不安なことはその場で確認してOK。
質問したいことを事前にメモしておくと、
いざというときにもスムーズに話せます。
説明や検査、次回予約の流れに戸惑うこともあるので、
不安なときは家族に付き添いをお願いしても大丈夫。
一人じゃない安心感が得られます。
まとめ:一歩踏み出すあなたを、心から応援しています
初めての大学病院受診は、怖くて当然。
でも、不安を感じながらも一歩踏み出しているあなたは、
もう十分にすごいんです。
大学病院では、最善の検査と治療を受けるための道が用意されています。
どうか焦らず、肩の力を抜いて進んでください。
この記事が少しでもあなたの心に寄り添い、
勇気を与えられたならうれしいです。
あなたの未来が、少しでも明るく、やさしいものでありますように。
