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「不安に押しつぶされそうな日々に、1分の平穏を」

この記事を書いた人:くるみん

がんサバイバー×看護師。療養と生活のリアルを発信中。
「前を向きたい人の、灯りになれるブログ」を目指しています。

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がん患者として体験したマインドフルネスとの出会い


はじめに|がんと不安の中で生まれた“心の逃げ場”

「がん」と告げられたあの日。
目の前の景色がにじんで見えたのを、今でも覚えています。

治療、再発、痛み、そして「もしも」の未来——。
いくら冷静を装っていても、心は嵐の中に放り込まれ、過ぎ去ったと感じてもすぐに嵐の前兆がやってくる…

その嵐の中で、ほんの1分でも穏やかな時間を持ちたい。
そんな思いで私が手にしたのが「マインドフルネス」という小さな道具でした。


がん患者にこそ伝えたいマインドフルネスの力

マインドフルネスとは?心を“今ここ”に置く技術

マインドフルネスとは、「今この瞬間」に注意を向ける練習です。
難しいポーズや道具もいりません。

  • 呼吸を感じる
  • 肌に触れる風を意識する
  • 心に浮かぶ不安を“ただ見る”

このような小さな気づきが、がん患者としての“心の持ちよう”を変えてくれました。

仏教の「無」との違いに気づいたとき

以前の私は、「無になる=何も考えないこと」だと信じていました。
禅では、煩悩や自我を手放す=無心になり悟りを開くことだと思っていたので、煩悩や良くだらけの現代では到底悟りを開くことはできないと思っていました。


でもある日、メンタリストDaiGoさんの動画に出会い、考え方が180度変わりました。

「何も考えない」ことではなく、「今ある刺激や感情を、否定せず受け止める」こと——。
それがマインドフルネスの本質だったのです。


“苦しさ”と向き合うランニングと呼吸

呼吸に集中したら、苦しさがほどけていった

4年ほど前ですが、突然ダイエットを思い立ち、早朝のランニングを開始しました。2月の朝5時の一番寒い時、暖かい布団で眠っていたいのですが、走り出します。


冷たい空気が鼻を通り、胸を突き刺すような感覚。

「寒い、突き刺さるような寒さ!」やめたい、帰りたい、後悔したと感じていました。
以前ならリタイアしていたのですが、その時読み終えたメンタリストDaigoさんの「究極のマインドフルネス」を実践してみることにしました。

マインドフルネスを体に宿すと、苦しみの中にも静けさがあると気づけるのです。

病院の待合室でも実践できる心の整え方

検査結果を待つ間、どうしても落ち着かない時間がありますよね。
私はそんな時、マインドフルネス呼吸を使ってみました。

背筋を伸ばして、深く息を吸って、ゆっくり吐く。
椅子に触れている背中や、お腹の上下動を意識していくと、
不思議と「待たされている時間」「自分の時間」に変わっていきました。

検査結果を待つ心の不安がその時だけ、意識から消え去ります。


マインドフルネス瞑想は何分が効果的?

まずは1日5分から。無理のない継続がカギ

マインドフルネスは、たった1分でも意味があります。
大切なのは「時間の長さ」よりも「意識の向け方」

  • 忙しい日は1分でもOK
  • 初心者は5〜10分を目安に
  • 慣れてきたら15〜20分が効果的
  • 研究では20〜30分×週5〜6日の継続が理想とされています

時間が長いほど良い、というわけではなく、
「今日は呼吸に戻れたな」「ちょっと落ち着けたな」と感じられることが、何よりの成果です。

気が散っても大丈夫。「戻る」ことがマインドフルネス

実践中に「考えごと」が浮かんでしまうのは、よくあることです。
でも、それに気づいて呼吸に意識を戻す——
この“戻る練習”こそが、マインドフルネスの本質なんです。

ですから「うまくできなかった」と自分を責めず、
その日その時の“今”を感じてあげてください。

あなたに合った“適量”を見つけよう

呼吸が心地よく感じられた時間。
体が少し緩んだ瞬間。

それが、あなたにとっての「必要なだけの時間」かもしれません。
「何分やるか」ではなく、「今日、自分を感じる時間を持てたか?」
そう問いかけてみてくださいね。

私は〇分やらねばと自分の心を縛るのではなく、ちょっとの隙間時間をつかって軽いマインドフルネスを心掛けています。

くるみん
くるみん

寝る前に実践するといつのまにか寝てしまいます。でもそれがいいんです!恐怖や不安を感じずに寝入る幸せ、実践してみてください!


がん患者におすすめのマインドフルネス実践法3選

①呼吸法:1分だけでも「吸って吐く」を感じる

一番シンプルで、かつ効果が高いのが呼吸の観察です。
1分間、ただ自分の呼吸に意識を向けてみてください。
思考がどこかに飛んでも大丈夫。気づいたら、また呼吸に戻るだけ。

それだけで、不思議と頭の中の“ざわめき”が静まっていきます。

②自然の中で五感を開く:ランニング・散歩がチャンス

私は朝のランニング中に、足音、風の音、肌に触れる冷気に耳を澄ませます。


こうした自然の刺激に意識を向けることで、
「私は今、生きている」と実感することができます。

日常の中でできる“動くマインドフルネス”、とてもおすすめです。

③感情の波に名前をつけて、流す

「怖い」「不安」「イライラする」
そういった感情を否定せず、「今、私は不安なんだな」と“名前をつける”だけで
その感情は少し距離を取りやすくなります。

「怖い」「不安」「イライラする」を感じている自分を客観的に観察し、題名を考えるだけです。
例:検査結果を待つ私は不安の渦の中

そう思えることで、心がスッと軽くなる瞬間がきっとあるはずです。


マインドフルネスはがんと闘う“もう一つの武器”

無料・誰でも・いつでもできる心のセルフケア

マインドフルネスの一番の魅力は、「お金がかからない」「いつでもできる」「副作用がない」ことです。
しかし、薬のような即効性はありません。
でも、毎日の中で少しずつ実践することで、確実に心の風景が変わってきます。


おわりに|「生きる」ために、まず「感じて」みよう

がん患者として、私はいくつもの不安や恐怖と向き合ってきました。
そして、そのたびに「逃げない」というより、「そこにいていいよ」と感情に寄り添うことを覚えました。

あなたは最近、自分の呼吸に耳を傾けたことがありますか?
今、肩が上がっていませんか? 胸は広がっていますか? 呼吸早くありませんか?

この瞬間、深呼吸してみましょう。
あなたの“今”に、少しでも静かな時間が訪れますように。


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