「がんです。そして、抗がん剤治療が必要です。」
そう告げられた瞬間、多くの方が真っ先に不安に感じるのは「命」かもしれません。でも、次に頭をよぎるのが「髪が抜ける」という現実ではないでしょうか。
私は抗がん剤治療の経験こそありませんが、同じがん患者として、そしてこれまで多くの患者さんを看護してきた立場からも、「髪を失う」ことがどれだけ心に影響するのかを何度も目の当たりにしてきました。
鏡の中の自分に戸惑い、抜け落ちる髪に涙を流す姿。
髪は、ただの“毛”ではないのです。
その人の歩んできた人生、自己表現、自信…そんな想いが込められた「からだの一部」。
がんと闘う過程で失われるものの中でも、「髪」はとても象徴的で、繊細な問題だと、私は思うのです。
医療用ウィッグの費用は高い。でも、助成金という希望がある
抗がん剤による脱毛をきっかけに、医療用ウィッグを検討する方は多いでしょう。けれども、その価格は決して安くありません。品質にこだわれば、10万円以上するケースも珍しくありません。
しかし、そんな時に頼れる制度があります。
それが「アピアランスケア助成金」です。
この制度は、がん治療による外見の変化——特に脱毛に対する支援として、ウィッグや帽子などの購入費用の一部を補助してくれる自治体の事業です。

全国で広がるアピアランスケア事業——自治体ごとに違う内容
2025年現在、多くの都道府県・市町村でアピアランスケアに関する助成事業が実施されています。
たとえば、都道府県のホームページに市町村ごとの助成内容が一覧で掲載されており、多くの自治体がウィッグ購入費の補助を実施していました。
東京都にも同様のページがあり、助成対象・金額・申請方法などが明確に示されています。
こうした情報が、各県のがん患者支援ポータルに掲載されていることが多く、比較的アクセスしやすくなってきました。
・上記は私が実際に2025年7月19日に検索した結果です。検索は ”都道府県名”+”アピアランスケア” or ”医療用ウィッグ”で検索しています。
・医療用ウィッグ 10,000~50,000円の助成で自治体で助成金の幅はありそうですね。
・ほとんどの都道府県は各市町村単位で受付されていますが、福島県では県レベルでの受付ですね。
・各都道府県単位の取り組みについて温度差を感じました。 検索のしやすさや市町村のまとめサイトなどやさしさを感じる都道府県が多いようで安心しました。
・看護協会が受付していることろとして茨城県がありました。また外部サイトで紹介されいるのが宮崎県があります。
知らなかった…で済ませないために。あなたや大切な人のために知っておいて
「もっと早く知っていれば…」
私がSNSで出会った何人もの方が、そう呟いていました。
助成制度の存在を知らずに全額自費で購入してしまった方、申請期限を過ぎてしまった方、そもそも制度があること自体を知らなかった方——。
情報は、時に人生を左右します。
がんという大きな試練に立ち向かうあなたに、少しでも金銭的・心理的な安心を届けるために、この制度は存在しているのです。
申請時の注意点|必要書類とタイミングを事前に確認しよう
助成を受けるためには、多くの自治体で以下のような書類が必要になります:
- がん治療中であることを証明する診断書や治療計画書
- ウィッグなどの領収書や購入証明
- 本人確認書類(保険証など)
- 指定された申請期間内での手続き
※申請方法は自治体により異なるため、各自で公式HPを確認してください。
誰かの力になれる情報を、あなたのまわりにも届けてほしい
私がこの記事を書くのは、同じ境遇で悩む誰かが少しでも安心して治療と向き合えるようになってほしいからです。
あなたの身近に、がんと闘っている方はいませんか?
その方に、この情報を届けることで、未来が少しやさしくなるかもしれません。
🍀医療用ウィッグのブログを書こうと思ったきっかけブログです