" />

眠れない夜に、そっと寄り添う選択肢——がん治療中の不眠と睡眠薬というやさしい助け

この記事を書いた人:くるみん

がんサバイバー×看護師。療養と生活のリアルを発信中。
「前を向きたい人の、灯りになれるブログ」を目指しています。

▶ プロフィールを見る  ▶ Xでの発信を見る


睡眠薬という選択を!

がんと共に生きる夜——眠れないのは、あなただけじゃない

がんの治療中、眠れない夜を過ごしたことがある人は少なくないと思います。 不安や痛み、検査結果を待つ緊張感……夜になると、そういった感情が一気に押し寄せてくることってありますよね。

真夜中に目を覚まし、静まり返った部屋でただ時間だけが過ぎていく。 「こんなに眠れないの、私だけかな……?」と、さらに孤独を感じてしまう。

でも、実際には同じように眠れずに悩んでいる人がたくさんいます。 X(旧Twitter)にも「今日も眠れなかった」「不安で何度も目が覚めた」という投稿が日々流れてきます。

がんという病気は、体だけでなく、心や睡眠にも大きな影響を与えるのだとあらためて感じます。

入院中の睡眠に関するPOSTには110の♥️がつきました。睡眠に関する不満や興味は強いようですね。


睡眠薬に抵抗があるのは、自然なことだと思う

「睡眠薬、効くのかもしれないけど…」「ちょっと怖いな…」

そんなふうに感じてしまうのは、決しておかしいことではありません。

たとえば、こんな不安をよく聞きます:

  • 飲み始めたらずっとやめられなくなるのでは?
  • 朝起きたときにぼーっとしそう
  • 精神的に弱いと思われそうで嫌

私自身も、睡眠薬を使うことに少し構えてしまっていた時期がありました。 でも、今なら言えます。薬は「頼るもの」ではなく、「活用するもの」なんです。


自分の夜を守る手段があってもいい

睡眠薬は、心と体を休めるための“サポート”です。 医師と相談して、自分に合った薬を処方してもらうことで、安心して使うことができます。

今の薬は依存性が少なく、翌朝に残りにくいタイプも増えています。 「飲んだらずっと使わなきゃいけない」と思っていたけど、そうじゃない。 必要なときだけ、眠れない夜を手放すために使ってもいいんだと、私は思います。


私のがん闘病中の不眠エピソード3選

がんと眠れない夜——私が感じたこと

一番眠れなかったのは、「がんの可能性がある」と言われてから、確定診断が出るまでの期間でした。

あの頃、私は訪問看護ステーションを経営しながら現場にも出ていて、毎日めまぐるしく過ごしていました。 でも、頭の中は常に「がん」という言葉でいっぱいで、夜になると不安が押し寄せてきて、眠れなくなってしまったんです。

寝つきが悪く、ようやく眠っても浅い眠り。朝起きたときの疲れが取れていなくて、日中の集中力も続かない。

その時は、睡眠薬のことなんて考える余裕もなかったんです。

今思えば、あの時「私は不安が強いと眠れなくなってしまうタイプなので、睡眠薬を出してもらえますか」と、主治医に相談できていたら、心の負担ももう少し軽くできたのではと思っています。

昼間はどんなに忙しくても、疲れても…
夜になると頭の中はがんのことばかり…

睡眠時間が4時間程度の日が何日も続いて、昼間は何時も疲れていたっけ。


術前の不眠——病室という”非日常”のなかで

手術を控えた入院中も、なかなか眠れませんでした。

「ちゃんと眠って、手術に備えたい」と思っているのに、病院のベッドってやっぱり自宅と違うんですよね。

マットレスは硬くて薄いし、枕も合わない。私は普段、低反発の枕を使っているので、病院のチップ入りの枕ではどうしてもしっくりこなくて。

さらに大部屋の環境。4人部屋で、周囲の物音や、いびき……。

ある夜は、70代の患者さんたちのいびきが重なって三重奏状態。 しかも、隣の方のいびきが突然止まると、「えっ、大丈夫かな?呼吸止まってる?」と気になってしまって。

こんな状態で眠れるわけがないですよね。

そんなときは、「昨夜眠れなかった」と看護師さんに伝えて、医師に睡眠薬を相談してみるのが一番だと思います。

手術のことを考えたり、術後の生活のことや仕事を考えたり悩みは尽きません。
心は、ボロボロで不安いっぱいな夜。たった1錠の睡眠薬が助けてくれるかもしれません。


術後の痛みと眠れなさ——薬がくれた休息

手術が終わったあとも、眠れない夜が続きました。

痛み止めを飲んでいても、寝返りを打つたびに痛みが走り、目が覚めてしまうんです。

昼間にウトウトしてしまう分、夜はますます眠れず……。

ある日、看護師さんに「昨日の夜、眠れませんでした」と素直に話したら、睡眠導入剤を処方してもらえました。

その晩はぐっすり眠れて、翌朝の体調も違いました。

体が軽く感じられて、「あ、ちゃんと回復してきてるな」と実感できた瞬間でもあります。

夜にしっかり眠ることができれば、日中のリハビリへの意欲もわきます。
そして体を動かすことで疲労感を感じ、その夜は睡眠薬を使わずに眠れるかもしれません。


眠ることは、回復する力になる

人間って、夜にしっかり眠ることで、心も体も整うんですよね。

がんの治療中は、不安や痛み、環境の変化で眠れないことも多くなります。 だからこそ、そのときどきで「どうやって自分を休ませるか」を考えることが大切だと思います。

睡眠薬を「頼る」ではなく、「使う」。 それは回復を早める一つの手段です。


あなたは、どう感じましたか?

「眠れない夜をこのまま放っておいていいのかな」 「でも、睡眠薬ってちょっと怖い……」

そんなふうに感じている方がいたら、まずは主治医に相談してみてください。

使うかどうかを決めるのは、あなた自身。 でも、選択肢を一つ増やすだけで、夜が少しだけ過ごしやすくなるかもしれません。

どうか、今日の夜が、昨日より少しでもやさしい時間になりますように。

父の日に低反発枕を妻と娘からプレゼントでもらいました。だけど、本当は「ひつじのいらない枕」が欲しかったです。ちょっと高額だけど、人生の1/3を寝ていると思うと決して高い買い物ではないと思います。

日頃から入院するときに持っていきたい枕!

耳栓を考えていましたが、どうも耳の違和感が強くなってしまいます。そんな時には現代の技術に頼りましょう!

私はブログを集中して書くために自己投資としてAirPodsを購入しました。ノイズキャンセリングを疑っていましたがその実力はすさまじい!耳栓をしたように周囲の音を遮ってくれます。入院中なら隣の患者さんのいびきも気になりません。次回の入院にはこれを持っていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA