「下剤イヤだなぁ」…よく分かります
「大腸内視鏡、そろそろ受けた方がいいんだろうな…」
そう思いながらも、結局予約の電話ができない。
その理由が、「下剤がきつそう」「あんなの飲めないよ」だとしたら——。
大丈夫。私も最初はそう思っていました。
でも、私は20歳のときに遺伝性のがんの可能性があると分かり、それ以来、毎年欠かさず大腸内視鏡を受けてきました。
下剤との付き合いは、もう30年選手。
真面目な性格なので、当時から「味変はダメ」と思っていて、そのままの味でずっと飲み続けています。
それでもあまりの飲みにくさに、冷蔵庫でしっかり冷やして味覚を麻痺させ、一気飲みで乗り切っていたこともあります(※本当は推奨されない方法です)。
今回はそんな私の経験をもとに、「下剤の何がキツいのか」「どう乗り越えてきたのか」を、リアルにお話ししたいと思います。
あなたの検査のハードルが、少しでも下がりますように。
下剤=地獄の2リットル?はじめて飲んだときの話
もう30年以上前、初めて大腸内視鏡を受けたときの記憶をたどってみましょう。
午前中から始まり、消化器内科の外来待合室の別室に7〜8人が集められ、看護師から腸管洗浄液(下剤)の飲み方を説明されました。
当時はニフレックが主流で、2Lの容器に溶かされた下剤を400mlの紙コップで飲みます。その紙コップには黒のマジックで名前が書かれていました。
最初の一口。地味にまずい。後味が残る。30分で500mlずつ、合計2時間で2Lを飲むスケジュール。
飲み進めていると、隣の年配の男性が「兄ちゃん、こんなまずいもの、よくごくごく飲めるな!まずくて飲めないよ」と声をかけてくれました。だれにとってもニフレックはまずいようです。
実はちびちび飲むのがつらくて、鼻をつまんで500mlを一気に飲むという“荒業”をやってました。看護師としては絶対NGだけど、患者としては必死だったんです。
1000mlあたりからお腹が動き始め、初めての排便へ。有形便から水様便へと変化し、トイレが親友に。だんだんと便意の波の感覚が短くなり、合計20回近くトイレに駆け込みました。
途中、お尻のヒリヒリが限界に達し、普通のトイレットペーパーで拭くたびに涙目に。以降は必ずウォシュレットを使い、ペーパーは軽く水分を取る程度にして、おしりを労わるようになりました。
真夏の検査で、冷えたニフレックはまだまし。常温になると、味が本当にきつくて、毎回眉をしかめながら飲んでいました。

真冬に味覚を麻痺させるために飲んだ冷え冷えのニフレックは体が心底冷えました
ウォッシュレットに最適なトイレットぺーパーを見つけました。ちょっと高級品ですが、ひりひりのお尻に優しく触れるエリエールブランドのティシュが最高の肌触りです。ぜひお試しあれ!
経験者が語る!3種の下剤、実際に飲み比べてみた感想
私がこれまで経験した下剤は「ニフレック」「マグコロールP」「モビプレップ」の3種類。

2025年3月に内服した、術前夜のマグコロールとモビプレップです。マグPはとても濃く、甘く一年に一回といってもとても嫌です。
モビプレップは飲みやすくなりましたがもう少し味を飲みやすくしてほしいものです。
📘ニフレック
- 味は独特。ミネラルの味? 正直いちばん苦手。
- 一番最初に使ったのがこれで、2L飲み切るのに苦労しました。
- 冷やさないと本当にまずく、温まると地獄です。

若い時には吐きそうになった時も。
📘マグコロールP
- 本番の下剤の前の下剤。 150mlの水に溶かして飲むのですが、これがまたまずい!
- ヨーグルトを超甘くしたような味。舌に残って、毎回暗い気分に…。
- 氷を入れて何とか飲んでいますが、今でも躊躇します。

マグPの代わりにに妻は別の病院でラキソベロン(ピコスルファート)を処方されていました。
📘モビプレップ
- 2013年ごろから登場。味は濃いポカリ風で飲みやすくなりました。
- 自宅で服用できるようになり、家のトイレを独占できてとても快適。
- 1〜1.5L+水で済むこともあり、2L完飲しなくてもよいのが◎
- 排便が進むと、肛門から尿が出ているような感じで、水のような便に変化します。不思議な感覚!
💊3種の下剤比較表(くるみんの主観レビュー)
項目 | モビプレップ | ニフレック | マグコロールP |
---|---|---|---|
飲む量 | 約1.5~2L | 約2L | 約150ml (術前夜の下剤) |
味の印象 | ★★★★☆(塩ポカリ系で比較的飲みやすい) | ★☆☆☆☆(甘じょっぱい&後味がキツめ) | ★☆☆☆☆(ヨーグルト風で独特) |
飲みやすさ | 自宅で自分のペースで飲める | 病院での集団服用が多く緊張する | 前夜から準備が必要だが飲む量は少なめ |
効果発現 | 飲み始めて30分〜1時間 | 飲み始めて30分〜1時間 | 翌朝には下痢 |
体験のコツ | 冷やして飲む・水で調整 | 冷やすのが絶対条件 | 氷で冷やし舌の感覚を鈍らせる |
検査前日の食事で気をつけたいこと|“出やすく”“映らない”メニュー選び
私の体験でひとつ恥ずかしかったのが、検査当日にトマトの皮が腸内に残っていて、カメラに映ったこと。
前日にミニトマトを食べたのですが、皮がそのまま腸に残っており、モニターに映ってしまったのです。
医師は冷静に「これはトマトの皮ですねぇー」と、私は恥ずかしさでいっぱいに。
以来、キノコ・海藻・トマトの皮・ゴマ・玄米など“消化されにくい食材”は絶対NGと自分に言い聞かせています。
それ以来、「皮が残りやすい食材」「繊維が多くて出にくいもの」は避けるようになりました。
避けた方がいい食材の代表例:
- トマト(特に皮付き)
- キノコ類(繊維が多く、残りやすい)
- ゴマや海藻類(小さくて消化されず映ることも)
- こんにゃく、豆類、雑穀米

上記のちょっと消化が悪そうだなって思う食事を外せばなんでも食べています。だけどマグコロールPを夕食後にのむので朝には下痢で出てしまうので、栄養になっているのかなーなんて思います。
まとめ|「下剤は大変」でも、「検査はあなたを守る」
下剤はたしかに楽じゃありません。
でも、その数時間が、自分の命を守る時間になるなら——私はやっぱり、これからも毎年受けようと思います。
がんになってからでは遅い。
でも、早期発見できれば「治せる」がんもある。
あなたが、「受けようかな」と思ったそのときがベストタイミング。
そして、この記事が少しでもその後押しになれば、私はとても嬉しいです。
🪧次回予告
次回は「②痛い・恥ずかしい…本当のところどうなの?」について、経験談を交えてお伝えします。
読み逃し防止のため、ぜひブックマークかSNSフォローをどうぞ!