「身近すぎて、見落としてた」──それがビタミンCでした
ビタミンCって、あなたにとってどんなイメージでしょうか?🍋 「酸っぱい」「風邪にいい」「レモン」──そんな印象の方が多いかもしれません。正直、私自身もつい最近までそう思っていました。
でも、がん治療を経験してからというもの、あらためてこの“身近な栄養素”の底力を見直すことになったのです✨
きっかけは、前回のブログで取り上げたビタミンDの記事でした。太陽と骨と免疫のつながりを紹介したあと、ふと「そういえばビタミンCって、ちゃんと調べたことあったかな?」と疑問が湧いたんです。
朝食を思い返しても、果物はゼロ。昼も夜もフルーツなんて影も形もありません。唯一多めに食べたキャベツサラダが、わずかなビタミンCの供給源だったくらいです。
「健康のために果物を」とよく言うけれど、日常のなかでどれくらい実践できているか、自分自身の生活を振り返って気づかされたのです。

がん治療中の体に、なぜビタミンCが必要なの?
「ビタミンCって本当にそんなに大事?」──そんな気持ちで、軽い気持ちで調べてみたんです。 でも、調べれば調べるほど、その“すごさ”に驚かされました。
ビタミンCは、体の中で大きく3つの役割を果たしてくれています。
- 強力な抗酸化作用で細胞を守る
- 免疫力のサポートで感染リスクを下げる
- 傷や炎症の修復を助ける
とくにがん治療中は、体に大きな負担がかかるうえ、手術や化学療法で免疫力が落ちやすくなります。 そのため、ビタミンCのサポートは、まさに「なくてはならない存在」だったのです。
調べているうちに、ビタミンCに特化したサプリもあることを知って、「これ、必要な人には本気で取り入れてもいいんじゃないか」と思うようになりました。
なにより、自分が毎日の食事でどれほどビタミンCを摂っていないか── 我ながら、驚くほど気づいていませんでした。
日本人のビタミンC、足りてるってほんと?
厚生労働省は、成人の1日のビタミンC推奨量を約100mgとしています。 これって実際どれくらいの量かというと── ・キウイ1個(約70mg)+いちご3粒(約30mg)で、ちょうど100mgくらい。 ・みかんなら2個で達成。 ・キャベツの千切りなら、両手いっぱいでようやく約40〜50mgほど。
国民健康・栄養調査では平均摂取量は推奨量に達しているとされているものの、「平均」の裏には大きな個人差が隠れています。
朝食を抜いている人や、野菜・果物が少ない食事の人は、間違いなくビタミンC不足のリスクが。
そして、これは私にも当てはまりました。 「まさか自分が」と思っていたけれど、よく考えると果物を毎日食べる習慣はゼロに等しかったのです。
そこで気になって、「日本人が普段の1食でよく食べる食材の中で、ビタミンCが多いものってなんだろう?」と調べてみました。
▼1食あたりビタミンCを多く含む身近な食品・果物ベスト10(目安量/mg)
- 赤パプリカ(1/2個)…約100mg
- キウイフルーツ(1個)…約70mg
- ブロッコリー(加熱後80g)…約54mg
- いちご(5粒)…約50mg
- 柿(中1個)…約70mg
- じゃがいも(中1個)…約35mg(加熱しても比較的安定)
- みかん(中1個)…約35mg
- キャベツ(生100g)…約40mg
- パセリ(大さじ2)…約38mg
- 芽キャベツ(4個)…約35mg
意外と「え、これもそんなに入ってたの?」というものもありますよね。
こうやって調べてみると、「サプリだけじゃなくて、やっぱり毎日の食事からちょっとずつ意識して取り入れたいな」と思えるようになりました。

ビタミンCを摂らないとどうなる?
明確な症状がすぐに出るわけではないので、気づかないうちに不足してしまうのがビタミンCの怖いところです。
くるみんの経験上ですが、がん患者さんの皮膚はどこか透明感が失われ、くすんだ印象になることがあります。それが疲労や治療の影響なのか、栄養の偏りなのかは一概には言えませんが、こういう時にビタミンCが関係しているのかもしれない──そう感じることが何度もありました。
もちろんこれは医療的な確証があるわけではありませんが、肌の調子や傷の治りが気になるときこそ、ビタミンCを見直すきっかけになるかもしれません。
実際、がん治療によるストレスや薬剤の影響で体内の酸化ストレスが増えると、肌の再生力が落ち、くすみが出やすくなるとも考えられます。ビタミンCはその酸化ストレスを軽減する抗酸化物質として知られており、さらにコラーゲンの合成を助ける働きもあります。
また、ビタミンCは鉄分の吸収を助けるため、治療中の貧血による“顔色の悪さ”や“血色のなさ”にも間接的に作用するかもしれません。これはあくまで私の推論ですが、「肌のくすみ」も栄養状態のサインのひとつとして見逃せないのでは、と感じています。
- 傷の治りが遅くなる
- 風邪をひきやすくなる
- 肌がくすんだり、乾燥しやすくなる
- 疲れやすさやだるさが続く
がん患者にとっては、これらがすべて“治療の足かせ”になりかねません。 だからこそ、普段からのちょっとした工夫が大切になるのです。

ビタミンCを“生活に溶け込ませる”リアルな工夫とは?
① あえて“冷蔵庫に置いておく”作戦
キウイやみかんなど、手軽に食べられる果物を常に冷蔵庫の目につくところに置いておく。これだけで、「あ、食べてみようかな」と思える瞬間が自然と増えてきます。
② 忙しい日は“飲むビタミンC”を取り入れる
生ジュースや市販の無糖スムージー、時にはビタミンC配合の飲み物も活用してOK。朝食を作る余裕がない日でも、手軽に補える手段を持っておくことが続けるコツです。
③ 「肌の調子が悪いかも?」が合図になる
顔色が冴えない、口元がカサつく、そんな小さなサインはビタミンC不足のサインかもしれません。そんなときこそ、意識して野菜や果物をプラスするタイミングに。じゃがいもやキャベツなど、加熱してもビタミンCが残る野菜を選び、スープごといただくのが◎。
まとめ:小さな意識が、体を守る力になる
今回、あらためて「ビタミンCすごい!」と実感した私。身近すぎて見落とされがちなこの栄養素こそ、がん患者や家族の毎日に、静かにでも確かに、力をくれる存在なのだと思いました。
「健康にいいらしい」じゃなくて、「いまの私に必要だから」。そう言って果物や野菜を選べるようになったら、きっと体も気持ちも変わっていくはず。
あなたは今日、果物を食べましたか?
その小さな一歩が、明日の元気につながるかもしれません。

(※この記事はがん患者としての体験に基づいたものであり、治療内容や栄養摂取については主治医の指導を優先してください)
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