はじめに
この記事は、僕が書いた前回の体験談「20歳で遺伝子診断を受けた僕ががんになって気づいた、“備える人生”という選択」の続きです。
前編では、僕自身の家族歴やリンチ症候群、そしてがんを経験した経緯をお話ししました。 後編では、「じゃあ実際にどうやって“備える”のか?」という行動のヒントをお伝えしていきます。
遺伝子診断といっても、ほとんどの人にとっては馴染みがないかもしれません。 でも、それは“特別な人が受ける検査”ではありません。
僕自身、30年前に受けた遺伝子診断でリンチ症候群がわかり、それをきっかけに検診や生活を見直すようになりました。 いま注目しているのが「miSignal」という、誰でも手軽に受けられる尿によるがん検査キットです。
MySignalの検査の仕組みと流れ
miSignalは、遺伝子そのものを調べる「遺伝子診断」とは異なり、「マイクロRNA(miRNA)」と呼ばれる生体内の微小なRNAを尿から採取・解析し、がんのリスクを評価するスクリーニング検査です。
miRNAは遺伝子の発現調整に関わる分子で、がん細胞特有のmiRNAパターンが体液中に現れることが知られています。miSignalではこのmiRNAをAI解析することで、がんの超早期段階でのリスク把握を可能にしています。
検査は、自宅に届いた専用キットで「尿」を採取し、それを郵送するだけ。数週間後にはWebで検査結果が確認できます。胃がん・大腸がん・膵臓がん・食道がん・乳がん・肺がん・卵巣がんなど複数種に対応しています。
なお、僕自身はmiSignalをまだ体験していませんが、これまでの遺伝子診断の経験も踏まえ、実際にこの検査を受けてみたいと考えています。その際は体験記としてレポートも行う予定です。(画像はmiSygnal HPより)

読者がリスクを知ったあとにできること
遺伝子診断で「がんのリスクが高い」とわかったとき、できることはたくさんあります。また、そこから得られる“気づき”や“強み”も意外に多いのです。
たとえば、
検診の頻度や種類を見直す
(自分のリスクに応じて、年1回の大腸カメラやCT検査などを定期化する。たとえば、大腸がんが心配な方は内視鏡検査、胃がんリスクが高い場合は胃カメラを定期的に受けましょう。

くるみんは29年間 ずっと毎年大腸内視鏡と上部消化管内視鏡(胃カメラ)を行い、毎回ポリープをつまんできて組織検査に出していますよ!
家族と情報を共有して、生活習慣を改善する
「自分のことを心配してくれる家族だからこそ共有したい」という気持ちを素直に伝えると、受け入れてもらいやすくなります。生活習慣を改善するには家族の協力も必要です。
今後のライフプランや働き方を柔軟に見直す
将来のリスクを知ることで保険や仕事、これからのイベントについて考えることができます

魔が差してアフラックを解約してしまったけど、がんのリスクが高ければそれなりの良いがん保険にも入っておくことができます。長期投資というような感じですが確実な保険となります。
仕事も、夜勤はできないと考え、現在は訪問看護師をしています。
自分の健康リスクに合わせた栄養・運動・睡眠改善などセルフケア意識の向上
食事は抗炎症食を意識し、手術に耐えられるだけの体力を養うために運動も欠かさず行っています。がんになってからはランニングも毎日4km継続しています。
「がんになりやすい」ということを知るだけでもセルフケアの内容は変わってくるはずです。
心理的な安心感を得る
「わからない不安」から「知って備える安心」へ情報を得ることで次の一手が明確になり、心の負担が軽減されます。調子を崩して精密検査を受けてみたら「がん末期」だったより、定期検査を繰り返し「がんの初期段階」と診断された方が心理的な負担と身体的な負担は全く異なります。
ただし、一方で注意しておきたい点もあります。
遺伝子診断を受ける際のデメリットや注意点:
リスクを知ることで、かえって不安が強くなる人もいます

くるみんは看護師だから医療に精通していたから不安もありませんでしたが、一般の方ならもしかしたら不安になるかも。そんな時にはくるみんに相談してくださいね。
保険加入や契約上の制限が将来的に発生する可能性があります
私も保険に契約する際に告知事項などが気になりましたが、遺伝子検査やスクリーニング検査の結果を提出することもなく、三大疾病でのがんの特約にて全額の保証が得られました。

今後、検査キットの精度が高まれば、保険会社より事前に尿や唾液の提出が求められ、がんのリスクが高いと判断された場合は、保険の引き受けができない・・・なんてこともあるかもしれないって思うんです。
家族関係において伝え方が難しく、葛藤を生むこともあります
遺伝ってどういうふうに伝えればよいか難しいです。病気に関することでもしかしたら将来的な確実性の高い航路図となりえます。それが家族にとって良いものになるのかどうかの見極めが大切です。

子供たちが20歳になったら、ちゃんと話をし検査の重要性を伝えたいと考えています。
こうした「知ることの重み」も踏まえた上で、冷静に判断し、自分のタイミングで受けることが大切です。
「知る」ことは、選択肢を持つことでもあります。 それによって未来の不安を少しでも軽くすることができるのです。
結婚や子育てにも関係する「伝える」こと
僕は結婚前、妻に「自分はがんになりやすい体質だ」と伝えました。 怖い気持ちもありましたが、大切な人に嘘をつきたくなかった。
子どもができた今は、「もしも同じ遺伝子の特徴をもっていたら…」という視点で、 日常の生活習慣や検診の大切さを少しずつ伝えています。
遺伝子診断は、「自分のため」だけでなく、「家族の未来を守る知識」でもある。 そのことを僕は今、実感しています。
「たった一回」が、これからの人生を支えてくれる
遺伝子診断は、何度も繰り返すような検査ではありません。 多くの場合、人生に一度の検査で十分です。
でもその「たった一回」が、人生の選択肢を大きく変えることがある。 予防できた病気、備えることができた支出、不安を小さくできた心——。
もし、あなたが今「やってみようかな」と少しでも思ったなら、 それはすでに大きな一歩だと僕は思います。

miSignalのご紹介
僕がいま注目しているのが、「miSignal」という自宅での尿検査キットです。
尿を採って郵送するだけ、結果はWebで確認できるという手軽さが魅力です。 がんや生活習慣病などのリスクを幅広く把握できるのもポイント。
実際に検査を受けた後は、こちらのブログでその体験や気づきもレポートする予定です。
▼miSignal公式サイトはこちら
https://misignal.jp/

注意事項と免責について
本記事では、がんリスクの把握や予防につながる手段として、遺伝子診断やmiRNA検査(miSignal)をご紹介しました。
ただし、これらは医療機関での確定診断や治療の代替となるものではありません。検査結果をもとに医師の診察や追加の検査を受けることを強くおすすめします。
また、miSignalのようなスクリーニング検査は、あくまで「リスクを知る」ためのものであり、がんの有無を確定するものではありません。必ずご自身の判断と専門家の助言に基づいてご活用ください。
本記事はYMYL(Your Money or Your Life)に関連するテーマを含むため、情報の正確性・公平性には配慮しておりますが、最終的な判断は読者の皆さまにお任せいたします。
まとめ~読者への問いかけ
がんを経験した僕だからこそ、伝えられることがあります。 「知っていたら、できることがあった」——それは悔しさであり、希望でもあります。
あなたは、自分の体についてどこまで知っていますか?
がん検査キットという選択肢を通して、自分自身や家族、そして未来のために “備える”ということを考えてみてほしいと思います。