血尿から始まった不安な日々——。
看護師としての知識と、患者としての体験を織り交ぜて綴る造影CT検査のリアル。検査前後の心得や、役立つ持ち物、緊張を和らげるポイントまで紹介します。
【はじめに】血尿から始まった“違和感”
ある日突然、尿が赤く染まった——。その日、私は人生で初めて泌尿器科を受診しました。
血尿の原因は尿管結石だろうと考えていましたが、検査で右腎の腫れが見つかり、予想外の展開に。
不安を抱えながら、総合病院での精密検査「造影CT」を受けることになりました。
【背景と動機】結石のはずが…腎臓の異変
数年前から腹部から右背部に鈍い痛みがあり、結石があると指摘されていました。
今回の血尿も「結石によるものかな」と軽く考えていた私。
ところがレントゲン検査では結石が確認されず、腎臓の腫れが明らかに。
「これはおかしい」と医師が判断し、総合病院へ連絡し造影CT検査の予約へ。
思ってもみなかった展開に、私の中で不安がじわじわと広がっていきました。
【造影CTとは】身体が温かくなる“あの感覚”
造影CTは、静脈に点滴で造影剤を注入し、体内の臓器や血管を鮮明に映し出す検査です。
看護師としてはよく知っていたこの検査。
でも実際に体験してみると、身体の芯から温かくなり、まるで日本酒を飲み過ぎたときの感覚とそっくりでした。体全体がポカポカするんです。
下腹部にかけて「もらしたかも」と錯覚するほどの感覚がありました。経験して初めて分かる、患者のリアルな体験。
副作用も存在し、約3%の方に蕁麻疹やかゆみなどの軽度な反応が見られます。
まれに血圧低下や呼吸困難といった重篤なケースもあるため、検査時はしっかりとした安全管理が求められます。
【当日の様子】総合病院の待合室で感じたこと
検査当日、紹介状を持って地域の総合病院へ。
患者の多さに圧倒され、「自分もこの中の一人になるんだな…」と実感。
年齢層も高く、日本の医療の現場を肌で感じました。点滴を右肘に入れ、いよいよ検査へ。
身体が温かくなる感覚に加え、今回は喉の粘膜にかゆみを覚えました。
幸い、バイタルに問題はなく、検査は無事終了。不安を抱えつつも、経験が少しずつ私を落ち着かせてくれました。
【持って行ってよかった持参品】
検査を安心して受けるためには、ちょっとした準備が大きな支えになります。
「これがあって助かった!」と感じた持ち物がいくつかあったので、私自身の体験をもとにご紹介します。
- 常温の水やノンカフェインのお茶:造影剤の排出を促すために必須。
- たんぽぽ茶:優しい利尿作用と温かみでおすすめ。利尿作用で造影剤を早く体内から出しましょう!
- ハンドタオルや小さめの毛布:体温調整や安心感に。手に💦握ることもあります。
- 軽食:検査後の軽いエネルギー補給に。造影CTは基本朝食抜きです。ちょっとした菓子パンなんかいいかも。
- 羽織れる上着:病院は想像以上に冷えることも。CT室って機械を冷やすためひんやりしています。
【水分補給のポイント】
造影CT検査のあと、私が医師や看護師として何よりも強くアドバイスするのは「水分補給」です。
造影剤は腎臓を通って体外に排出されるため、検査後の水分摂取は、身体への負担を最小限に抑えるためにも欠かせません。
体調や持病に配慮しながら、自分に合った飲み物を選ぶことが大切です。私の体験も踏まえて、次のような水分補給をおすすめします。
現在私は、手術して右の腎臓を低きゅつしてしまったので、いち早く造影剤を体外から排出するために点滴をしながら造影CT撮影しています。
それぐらい、水分補給して造影剤を体外に出すことは重要なんです。
- 常温の水:基本中の基本。胃腸への刺激が少なく、どんな体調のときでも安心。
- たんぽぽ茶:ノンカフェインで利尿作用も優しく、体にやさしい。
- レモン水:さっぱりした飲み心地で、クエン酸の代謝促進効果も期待。
- 緑茶:カフェインを含むため注意は必要ですが、ほどよい利尿作用あり。
【看護師として、患者としてのアドバイス】
医療従事者であっても、いざ患者の立場になると感じることはたくさんあります。
だからこそ、看護師としての視点と患者としての実体験、両方を重ねたうえで伝えたいことがあります。
- 不安は医療者にぶつける:疑問や不安は我慢せずに。納得のいくまで聞いて大丈夫です。待っています!
- リラックスの工夫:深呼吸や軽いストレッチ、音楽など、自分なりの落ち着き方を持つことが助けになります。
- 「経験談」が安心をくれる:体験者の声は、不安な心にそっと寄り添ってくれるもの。ブログやSNSで共感できる体験を探してみるのも一つの方法です。
【まとめ】不安は“知ること”で和らげられる
がんの診断がつく前段階でも、検査の一つひとつは大きな山場です。
知識があるはずの看護師でさえ、患者になれば不安になる。
だからこそ、ひとつずつ体験を通して知識に変えていくことが大切だと感じました。
次回は、この検査結果を受けて下された診断、そして「がん告知」との対面についてお話しします。